ホワイトニングで最初に知っておくべき4つの基礎知識-後半-
今回の記事では、「ホワイトニングの種類」や
「漂白効果の現れ方」について詳しくお伝えします。
読み終えた頃には、
ホワイトニングってそうだったんだ、
こうやって説明すればいいんだ、
と自信を持つことができますよ。
2. ホワイトニングの種類とその特徴を知りましょう
ホワイトニングは、歯科医院にて術者が
歯の表面にホワイトニング剤を塗布し、
漂白する オフィスホワイトニング と、
クライアント自身が歯科医院で作成した
マウスピースにホワイトニング剤を流し込み、
歯に装着して漂白していく
ホームホワイトニング の
2種類に大別されます。
下の図では、オフィスホワイトニングと
ホームホワイトニングの特徴を、
臨床で最低限知っておきたい点に
絞ってまとめました。
「リピート化するホワイトニング・クリーニング ホワイトエッセンスが実践する技術&ノウハウ」より
また、オフィスホワイトニングと
ホームホワイトニングを併用するのが
デュアルホワイトニング です。
デュアルホワイトニングは
両者の長所を併せもつため、短期間で白くなり、
後戻りも少ないホワイトニング法です。
3. ホワイトニング方法による漂白効果の現れ方は?
オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、
デュアルホワイトニングを行った時の
効果の現れ方を、
縦軸にシェード変化、
横軸に時間を置いて図で示しました。
▼ホワイトニング方法によるシェード変化のイメージ
「リピート化するホワイトニング・クリーニング ホワイトエッセンスが実践する技術&ノウハウ」より改変
オフィスホワイトニング( 図:青色の線 )は、
ホームホワイトニングに比べて
早く白くなりますが、
A1以上の白さになると
白くなりにくくなり、
シェード変化でいうと
1段階から2段階あるかないかの
アップにとどまります(白さの限界値が低い)。
一方、ホームホワイトニング( 図:ピンク色の線 )は
ホワイトニング専門書には2週間で効果が出ると
書かれていることが多いと思いますが、
2週間程度ではほとんど白さを実感できない
といってよいでしょう。
2週間後から徐々に白くなり始め、1カ月ほどで
やや白くなったかな、と感じるくらいの変化が
あり、その後徐々に漂白効果が上がり始めます。
白さの限界値はオフィスホワイトニングより
高くなります。
デュアルホワイトニング( 図:緑色の線 )は、
早く白くなり、白さの限界値も最も高く なります。
この図をみれば、
- オフィスホワイトニングを一度だけ行ってもクライアントが満足する白さ(A1以上)が得られない
- ホームホワイトニング単独で白くするのは根気が必要である
ことがお分かりになると思います。
また、「早く白くしたい」という希望を叶えるのは
デュアルホワイトニングである のが
一目瞭然でしょう。
「一度きりのホワイトニングで終わってしまう」
「リピート化しない」
というのは、
適切な治療方針をたてずに
いきなりオフィスホワイトニングを
行ってしまうことや、
歯科医院で
ホームホワイトニングしか扱っていないことも
大きな要因です。
ホワイトニング導入の際は
迷わずデュアルホワイトニングができる体制を
整えていただきたいと思います。
また、上の図は3つのホワイトニング方法が
非常に分かりやすくイメージできますので、
クライアントへの説明にも有効です。
ぜひご活用ください。
4. 術前の歯の色と漂白効果の関係を知りましょう
最後に、
漂白効果を予測する上で抑えておきたいのが
術前の歯の色と漂白効果の関係 です。
術前の歯の色が白くなるほど
徐々にシェードが上がりにくく
(明度が上がりにくく)なり、
特にオフィスホワイトニングで
顕著に認められます。
例えば、術前の歯の色がA3のときよりA1のほうが
術前術後のシェードの差が小さく
(シェード変化が少なく)なります。
ですから、1回目のオフィスホワイトニング時に
シェードが4段階アップした場合、
2回目のオフィスホワイトニング時の
カウンセリングでは
「前回と同じくらい白くなります」とは伝えず、
「前回はA3から4段階アップしたので、
今回は2~3段階白くなります」 と伝えます。
術前の歯の色が白くなるほど
術後のシェード変化は少なくなる一方で、
術前の歯が一般的な歯の色(C2~B3)より
白い場合には、目標の白さに達するのは早く なります。
例えば、ホワイトニング経験があり
術前の歯の色がA2で、
目標の白さが030という場合は、
オフィスホワイトニングの回数や
ホームホワイトニングの継続期間が
短くてすみます。
経験を積むと、白くなりやすさ・
白くなりにくさの条件()を踏まえて、
「個人差はありますが、何カ月くらいで
(シェードの)このあたりまで白くなりますよ。」
とクライアントに伝えられるようになります。
おわりに
前半後半にわけて、ホワイトニングで最初に
知っておくべき基礎知識を4つ
ご紹介しましたが、いかがでしたか?
今回初めて目にした内容も
多かったのではないでしょうか?
ホワイトニングは一般的にまだなじみの薄い治療
なので、クライアントへの適切な説明が必須です。
記事の内容はもちろん、紹介した図はどれも
クライアントへの説明には有効ですので、
これらを活用しながら自信を持って
ホワイトニングの説明をしてみてください。