これからの歯科医院経営は一般企業と比較しなければならない
■院長の加齢と収益の関係
歯科診療報酬改定アンケート結果
(全国保険医団体連合会調査)である
下記の表によると、
院長先生の加齢に伴って
医院の売上減収の割合が
増えることが分かります。
この表は縦軸が年齢、
横軸が回答の結果を表しています。
黄色が減収を示していますが、
年齢が上がれば上がるほど
黄色の割合が
増えていっていることが見てとれます。
■一般企業の経営者と歯科医院の違い
下記表のグラフでは、
縦軸が収益、横軸が年齢を表しており
赤い線が一般の会社経営者、
青い線が歯科開業医それぞれの年齢ごとの
会社と医院の収益の成長曲線を示しています。
一般的には会社経営者は、
20~30代で起業して、自分の給料を低く設定して、
会社の利益を蓄えるか、
新しい設備や事業にどんどん投資をしていくので、
会社は成長しつづけ
30~40代になると収益が上がり、
50~60代になると組織が安定します。
しかし、反対に歯科開業医のケースでは、
30代で開業すると2~3年後には
一般会社員の3倍4倍以上の給料を
もらってしまうために、
一般企業と比較して
将来に向けての投資ができずに
組織化がうまくいっていないケースが
多く見られます。
一般企業では組織化が進めば、
部下たちが戦力となるため、
増収が見込めますが、
多くの歯科医院では
スタッフさんを戦力化できず、
院長先生のマンパワーに依存してしまいます。
そのため、40代後半から50代になると
加齢とともに収益が下がり始めてしまうのです。
この状況を、都内に複数の分院を構える
ある大手医療法人の理事長先生が
このように例えていました。
「歯科開業医の成長曲線を例えるなら、
まるでプロのスポーツ選手の
引退までの軌跡と同じだ」と。
多くの院長先生が
同じようなお悩みを抱えています。
歯科業界の成長性はマイナス2%成長ですから、
これからは、同業者の歯科医院とではなく、
一般企業の経営と比較していくことが必要であり、
組織力を高めるマネジメントを行う
時間の確保が重要となります。