目指すべき組織風土
エクセレントカンパニーの著者である
トムピーターズ博士は、
一番重要な経営戦略は
ビジネスモデルやマーケティングではなく、
失敗を恐れず挑戦し続ける組織風土 を
目指すことであると言い切っています。
運よく成果が上がった人材よりも、
挑戦して大失敗した人材のほうを
評価すべきとも言っています。
成功の対極にあるのは失敗ではなく、
何度も失敗した先に成功があります。
院長に依存せず
成果の出せる組織にしていくということは、
どれだけスタッフに挑戦させ、
失敗を奨励できるのかに尽きます。
利益は失敗への許容量を
増やすために必要なものです。
歯科医院で働くスタッフの多くは
極度にミスを恐れます。
院長にもそのような方が多いと感じます。
これは医療という性質や
資格者としてのメンタリティに
起因しているところもあるでしょう。
しかしミスを恐れて
新しいことに挑戦しない組織は
環境変化に対応できませんから衰退します。
先ほど、利益が出たら
どんどん医院に投資する勇気のある院長が
成功するというお話をしましたが、
インプラントのエビデンスが
それほど揃っていない時代から
インプラントに取り組んだ歯科医院のほうが
模倣組よりも成功しています。
成功例にフォーカスして
自分がどうあるべきかではなく、
失敗例が気になる院長は
失敗に対する恐怖心が
強く働いています。
私共に対して、
まれに「ホワイトエッセンスの失敗例を教えて欲しい」
という質問が来ます。
「やるべきことを継続してやれば
必ず成果は出るので、
失敗はやるべきことをやってないだけか、
途中で諦めただけ」とお答えします。
もし貴方が患者様から
「あなたの治療の自慢話はもうよいから、
失敗例を教えてくれ」と言われたら、
その患者様に腹が立つよりも
人を見る目が無い気の毒な方だと
思うことでしょう。
先ほどもお話しをしましたが、
挑戦し続けたことがある人ならば、
相手が本当に組むべき能力や
人間性を持っているかどうかを判断する
目利き力を持っています。
私とて起業した当初は、
失敗やお金を失うことに対して、
眠れないくらいに恐怖を感じましたから、
このような院長先生の心情はよく分かります。
しかし経営とは
外部環境の変化に合わせて
組織や経営者自身が変化し続けていくことです。
目指すべきはスタッフが
失敗を恐れずどんどん挑戦する組織風土 です。
スタッフは院長との信頼関係が深まると、
その組織に所属する安心感を抱き、
新しいこと、難しいことに
挑戦する意欲が湧きます。
院長とスタッフのコミュニケーションを
良好にするのも、
スタッフの挑戦意欲を高めることが
その目的の一つです。