売上を上げる事が経営ではない
売上を上げること＝経営だと誤解されている
開業医の先生が実は多くいらっしゃいます。
その思い違いは医院に
３つの問題をもたらします。
１．利益が残りにくい
２．スタッフの離職率が高まる
３．院長先生もスタッフも忙しくなる
１．利益が残りにくい
まず、「 １．利益が残りにくい 」とはどういうことか。
売上が年商1憶を越えても、
借入返済に追われている医院が多くあります。
お金を遣い（投資し）
医院規模を拡大していけば
必然と売上、年商は上がっていきます。
しかし、どんなに売上を上げても、
利益を出さなければ、
借入返済のための毎日になってしまいかねません。
仮に、年商5億円でも利益が出てなければ、
年商５千万円で1千万円の利益が
出ている医院の方が、
経営が上手くいっているといえます。
経営において 売上を上げることより も
利益を上げること が重要なのです。
年商数百憶、数千億を目指す一般企業は、
売上と利益の両方を上げることが重要になります。
年間１億円程であれば、利益を上げることに
注力する必要があります。
２．スタッフの離職率が高まる
次に、「 ２ スタッフの離職率が高まる 」とは
どういうことか。
スタッフ全員が医院の売上を上げるために
働いているわけではありません。
医院の売上が大幅に上がったとして、
それに比例してスタッフさん全員の給料を
上げるという医院はどのくらいあるでしょうか？
きっと、スタッフに還元よりも
医院拡大に投資する医院の方が
多いのではないでしょうか。
売上が上がった分は、
採用・設備投資・広告費に充てたり、
使いどころが多数あるわけですから
大幅にスタッフの給料を
上げるわけにはいきません。
そうすると、スタッフからしたら
医院の売上が上がっても、
自分達の給料に変動がないわけですから、
医院の売上を意識しません。
そこで、院長先生が「売上を上げていこう！」
と言ってしまった日には
スタッフは、私達に売上を強要していると思い、
モチベーションの低下、離職率アップに
つながってしまうわけです。
３．院長先生もスタッフも忙しくなる
最後に、「 ３．院長先生もスタッフも忙しくなる 」とは
どういうことか。
売上が高くても利益が出ていない医院が
多い現状をお伝えしましたが、
利益よりも売り上げ重視となると、
ひたすら忙しくなります。
保険診療中心でも、昔であれば、
放っていても20％・30％の利益が残っていました。
しかし、 昔よりも保険診療の工数・人件費は増えて
売上、利益は上がりません。
そう考えると、利益が残りにくいところに
時間をつぎ込むと
売上が上がっても利益が上がらない
という事態に陥ります。
売上を増やすには、
長時間働くかお金をふんだんにつぎ込むか、
このどちらかで上がっていきます。
しかし、利益は売上のように
長時間働いても上がっていくものではありません。
利益は、適切な経費コントロールの理屈が
分かって初めて上がっていきます。
売上だけを目指すと、
利益が残らない割に忙しく、
院長先生だけが辛くなります。
医院経営において重要なことは、
利益が一定に上がっていくことです。
では、この利益の目安はどれくらいなのか。
売上の10％ほどを目指してください。
サービス業で理想的な利益は、
９～１２％と言われています。
これよりも利益が少ないと
内部留保できる金額が少なく、
医院資金ではなく、銀行からの借り入れ依存が
大きくなってしまい、
銀行への借金返済に追われてしまいます。
一方、利益が出すぎてしまった場合は
どうなるのか。
利益が多すぎるというのは、
経費が使えていないことを示します。
他院との競争力が減退してしまうので、
経費を遣い（投資をして）
適切な利益額にした方がよいということです。
それでは、利益を一定に出し、
院長先生の労働時間を抑えられる医院に
するためにはどうすればよいのか。
院長先生に依存せず、
スタッフと分業して結果をだしている
組織にすることです。
売上を上げることが
経営の目的ではありません。
そもそも何のために売上を上げるのか。
お金を稼いで王族のような暮らしをしたいと
考えている先生は少ないはずです。
売上を上げたい真の目的は、
良い経営状態にして
不安から解放されたい、安心したい。
ではないでしょうか。
経営の目的 とは、
売上を上げることではなく、利益を上げることです。
利益を上げるための方法は、
「スタッフと分業して各々が活躍する組織を作ること」 です。
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売上を追うと降りかかる３つの悲劇
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