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医院経営の基礎知識

院長の加齢と収入の関係性

院長の加齢と収入の関係性

院長の加齢とともに減収していく


近年歯科医院経営を

難しくしていることの一つに

院長が第一線のプレイヤーとして

活躍できるピーク年齢期間が

短くなってきている傾向 にあります。


もちろんご高齢でも

生き生きとご活躍されている

院長先生は沢山いらっしゃいますが、

図1のグラフでは

院長が加齢とともに

減収になっていくのが分かります。

保険診療をメインとした場合、

数をこなすことが必要で、

以前よりも 保険診療の付帯業務が増えているため

売上確保は院長の体力勝負になってきます。


そして新しい歯科技術やコンピューター機器を

常に習得していくだけの好奇心や

バイタリティを維持し続けなければなりません。

インプラント診療を

頑張ってこられた院長先生も

55歳を越えたあたりから

インプラントを打つのが怖くなってきた

という声が増えています。


院長の若さが差別化

市場ニーズは残酷なまでに

「若さ」を求める傾向が年々高まっています。


政治家、セールスマン、スポーツ選手、

そして歯科開業医の世界でも、

若い人物に人気が集中するのは一緒です。

開業医も院長が 若い時分は

保険診療中心で特徴の無い経営をしていても、

それなりに売上が伸びていきます。


"院長の若さ"、

それが最大の差別的優位性だからです。


そして院長の若さという武器があるころに

医院の差別化を図るための

投資をしなかった医院は

やがて売上が停滞し、

将来への恐怖と不安に苛まれ始めます。


しかし、これまで

投資を避けてきた院長先生にとって、

まとまったお金をつかうことに

恐怖を感じる傾向にあります。


さらにこの状態を改善しなければ

当然、医院の経営状況は徐々に悪化していきます。


事態が悪化すれば減収が進み、

新規の患者数が以前の半分以下に

なってしまったケースも少なくありません。

ところが院長先生の危機感に反し、

スタッフ達はそれほど問題意識がなさそうです。


院長先生はこれまで自分なりに

努力をしてきたつもりでしたが、

自分もスタッフも経営に対する危機感が

足りなかったことを痛感します。


そうなってみて初めて、

スタッフの経営意識の希薄さに気が付きます。


求人をかけても、なかなか応募が来ず、

なかなか思うようにいきません。


院長先生は自分の視力や身体が

年々衰えていることを実感しながらも、

歯を食いしばって

診療にあたらなければなりません。


実はこのような状態になってから

弊社に経営相談にいらっしゃる

院長先生が少なくありません。


皆さんに共通しているのは

院長としてまだ若かった頃の過ごし方を

痛烈に後悔されているということです。



院長の加齢による減収を防ぐためには

多くの院長先生が

将来に対して不安を抱えているのは

保険制度の問題だけではなく、

昔羽振りがよかった

先輩開業医の凋落を知っているからです。


会社の社長は一般的には

加齢とともに社員が育つため、

売上利益が上がって自分が楽になるという

成長曲線を描きますが、

歯科医院の院長は真逆です。


まるで スポーツ選手のように

加齢とともに収入が下がっていきます。


院長は売上利益を落とさないよう

一層頑張らなくてはならないので、

加齢とともに楽になるどころか大変さが増します。


しかし一人で何でも出来る

と思っていた開業当初と違い

体力的、能力的な限界を感じるようになります。


自分がやがて高齢になった時に

更に体力が低下することで

売上げが落ちていく事への不安が

日々増していくようになります。


そしてある日、周囲を見渡すと

本当の意味で右腕になれる人材がおらず、

院長以下は横並びで、

院長がいないと回らない医院

であることに気づくのです。


「一心不乱に頑張ろうと思っても

以前ほどの情熱が湧き上がってこない」

という声を院長先生からいただくことがあります。


経営者である院長先生の情熱が

下がってきた時こそ、

医院の衰退が始まることを

院長先生ご本人は誰よりも深く理解しています。

一見繁盛して自信満々な院長先生でも

内心は深く傷ついているケースが

少なくありません。


私は同じ経営者として

胸を切り裂かれるように

その痛みが分かります。


ホワイトエッセンスをオープンした当初は

離職者が相次ぎました。


「保険診療ではなく、

自費で健康者を対象とするという

難しい仕事をしているので、

ついて来ることが出来ない

スタッフが多いのは当然」

と自分に言い訳をしてはいましたが、

スタッフのやる気のない態度、

冷めた表情、相次ぐ離職は

自分の全人格や存在価値を否定されたようで

腕をもがれるように激しい痛みを伴いました。


しかしそれが続くと慣れて

不感症になっていきます。


自分が人として大切な感情を

失ってしまったように思え、

猛烈な自己嫌悪感に覆われながらも、

経営という茨の道を

歩み続けなければならない日々に

ため息が出そうになるのです。


開業医の方のお悩みを要約すると

「売上利益の確保が院長依存になっていて、

加齢とともに将来への不安を感じており、

また採用・教育・スタッフとの関係性など、

人材の問題が多いため、

より院長が孤軍奮闘せねばならない」

ということになります。


貴方のお悩みがここにドンピシャリであれば、

そのお悩みは「医院を組織化」していくことで解決されます。


どれだけ沢山の売上を上げても、

多額の年収を得ても、

院長一人で頑張り続けていくことほど、

しんどいことはありません。


一緒に働いているスタッフが

そっぽを向いていると自覚してしまった瞬間から

激しい虚無感に襲われることになるでしょう。


家族以上に長い時間を同じ空間の中で

一緒に過ごしているスタッフの

院長に対する態度や仕事に対する姿勢こそが、

売上額の多寡や患者さんの感謝の声の多さよりも、

院長に対する公正な評価を

雄弁に物語っていると

認識せざるを得ないからです。



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