私利私欲で経営しない
院長自身が自分貢献を目指している医院は決して少なくない
利益が上がらない医院、
利益が上がっていても
院長の悩みが深い医院は、
院長のお金の使い道を見直した方がよいでしょう。
このような場合、
院長先生ご自身が、
組織貢献よりも自分貢献を
目指していることが決して少なくありません。
医院の経費で車を買ったり、
自分用の不動産を買ったり、
ゴルフ会員権を買ったり、食事をしたり等、
経営者が公私混同したお金の遣い方をしていると、
従業員はあきれてしまいます。
多くの歯科医院は零細組織です。
一般企業に置き換えて考えてみてください。
誰もが憧れる大企業、
有名企業でもないのに、
スタッフからしてみたら、
「院長とその家族の贅沢のために
働いているのか?」と、
腹立たしくなるでしょう。
「リスクをとって開業し、
組織の誰よりも懸命に働いているのだし、
経費をプライベートでちょっと遣ったり、
院長が沢山収入を貰うことの何が悪い」
と思われるかもしれませんが、
そう考えていると、
間違いなく医院が発展しません。
いずれ衰退していきます。
歯科医院の院長は給料を取り過ぎ?
また 同程度の利益額の企業の社長と、
歯科医院の院長を比較した場合に、
院長は給料を取り過ぎ の傾向があります。
院長が給料を取り過ぎていると、
設備投資が遅れ、従業員への還元も少なく、
福利厚生条件が悪く、
求人広告費や集客広告費の投資が少なくて、
発展できませんから、
院長の加齢とともに競争力が落ちて行きます。
さらに内部留保額も少ないため、
将来への不安で押しつぶされそうになり、
短期的視野になりがちで、
目先のことばかりに目が行き、
小手先のテクニックに走ります。
1年後や3年後の具体的な経営計画も存在しません。
こんな医院では、
院長が患者様(顧客)満足、
組織貢献、社会貢献などを唱えたところで、
スタッフからしてみたら、
キレイ事にしか聞こえません。
スタッフは、組織貢献よりも、
自己啓発、自己成長を優先させ、
組織に所属しながらも、
独立した職人のような意識で
働くことになります。
医院全体の発展には無関心で、
自分と自分が担当する
患者様にしか興味を持てず、
院長が新しいことを始めようとすると
抵抗勢力になります。
こんなことをいいながら、
私も独立するときは
私利私欲の塊でしたから、
偉そうなことはいえません。
しかし、たかがお金のために
モチベーションを維持していくことは
不可能です。
経営者のモチベーションが落ちると、
100%組織は衰退します。
売上が下がっても、経営者が元気なら
その組織は大丈夫でしょう。
従業員が全員辞めても、
経営者が元気ならその組織は大丈夫でしょう。
でも、どんなに売上が上がっていても、
従業員の士気が高くても、
元気が無い経営者の組織は
いずれ絶対にダメになります。
経営者として言動一致
私は一時期、
「何のために働くのか」と悩みました。
もちろんそれは、
ホワイトエッセンスのブランドを
つくっていくことなのですが、
それが自分の為ではなく、
お客様、組織(加盟医院と自社)、
社会の3者にとってのためであるという
信念を固める必要がありました。
「自分と家族を幸せにするというのは
牛でもできる。
社会に対して貢献しようという
利他の考えは人間にしかできない。
利他の行動をすることで、
上手く行くようになる。
世の中はそうできている」
と、松下幸之助氏もいっています。
特にホワイトエッセンスは、
歯科衛生士が自費で収益を上げていく
ビジネスモデルですから、
彼女らに見限られないためにも、
私利私欲を薄めていかないといけませんでした。
生来、怠け者で、快楽主義の自分にとっては
簡単ではありません。
私自身、「最近少し仕事がつまらないな」
と自覚する時は、
自分に私利私欲がもたげている時です。
元気のない院長先生は、
「自分の収入が減るんじゃないか」と、
自分のお金のことばかり
心配している傾向にあります。
スタッフを叱れない院長先生や、
スタッフとの会話の時間をつくれない
院長先生というのは、
ほとんどの場合、
自分に後ろめたいことがあることを自覚しています。
自費は、保険のように
患者様に7割引きでサービスできるという
必殺技が使えません。
相手は10割を支払いますから、
医院サービスレベルを判断する目は厳しく、
顧客志向でないと見限られます。
院長先生が、
「患者様(お客様)、
組織、社会に満足して頂く医院を目指していく」、
そこが経営者として言動一致したときこそ、
スタッフも利己性が減り、
利他の精神が育まれ、
お客様満足や組織貢献を
考えるようになっていきます。
そして、そのほうが結果的に
売上利益も向上していきます。